「・・・・バチッ・・バチッ・・・バチバチッ・・・・」 「ひえええぇぇ!」 一度目となんら変わりのないパターン。 しかも心なしか二度目の方がエスカレートしているような気がする。 「ジュリー、おまえどっこも痛くないのか?」 『うん。 全く』 「医者が失神しそうだぞ。 わざとなんかやってないだろうな」 『失礼な!なんでわざとなんかしなくちゃなんないのよ』 ジュリーは本気で言っているのだろうが、なんせ頭からいっぱいコードが出ているもんだから、 おかしくってしかたがない。 「疑って悪かったよ。 それにしてもすごい脳みそだ」 笑っていると、ミシェルがオレの肩をポンポンと叩いた。 「ランディー、先生が失神したわ。 なんとかして」 「あれま。 本当に失神しちゃったのかよ?大丈夫かな?」 オレはジュリーをベッドから降ろし、そこに医者を寝かせた。 彼の顔は完全に血の気をなくしており、かなり叫び疲れたように見える。 かわいそうに、気の弱い彼には、この事件は相当なショックだったのだろう。しばらくそっと寝かせ ておいたほうが良さそうだ。 オレは部屋にあった電話で彼が倒れたことを報告し、次の検査へ行くことにした。 「ミシェル、次は何?」 「次はIQ検査よ。 それで終わり」 「よし、それなら器械が壊れることはないな」 オレ達はベッドに寝たままの医者を残して、静かに部屋を去った。