テーブルの上に、丸、三角、四角の形がくりぬかれたプラスチックの箱が置かれた。 そしてジュリーの前に、そのくりぬかれたと思われる3つのパーツが並べられている。 「これを正しい位置に戻して下さい」 医者が神妙な顔をして言った。彼もブタの知能指数など初めてのことだろう。 ジュリーは言われた通りのことを、3秒でやってのけた。そしてポツリとつぶやいた。 『ふざけんじゃないわよ』 これはジュリーが正しいとオレも思う。ジュリーにこんなことやらせるなんて、はっきり言って大バカ である。このブタは普通じゃないのだ。だからわざわざ遠い病院まできてるのに、これでは意味がない。 「すみません。人間用のIQテストをやらせてもらえないでしょうか?」 「いやー、ちょっとそれはむずかしいですねぇ。第一、どうやって紙に記入するんですか?」 「それはオレがジュリーから聞いて答えを書きます」 「あなたがご自分で答えないという保証は?」 「なんなら、問題がわからないように真後ろを向いていましょう。それから、先生に監視してもらって もいい」 医者はしばらく考えていたが、どうやら納得したようだ。 「よろしい。それでは、人間用のテストをしよう」 彼は問題用紙を取りに隣の部屋まで行ってくる、と言って出ていった。 「どうぞ、始めて下さい」 医者の声とともに、IQテストがスタートした。 『[1]の答え。…2.5.9.3.5.8.7.6.2.2.5.4.1.3.8.9.…[2]の答え。…5.5.4.1.2.7.9.3.6.6.6.……』 ジュリーは一気に答えを言い出した。 ―――待ってくれ、早過ぎるぞ! おまえ、ちゃんと問題読んで答えてるのか? 適当に言ってたらオレは怒るぞ! ―――そう心の中で叫びながら解答用紙を書きたくっているうちに、テストが終わった。 「それでは、今からこれをコンピューターに集計させますので、しばらくお待ち下さい」 医者はそう言うと、ギクシャクした足取りで部屋を出ていった。